いよいよ採用にAIが登場!面接官もロボットに?

採用活動にもAI(人工知能)が使用される時代がやってきました。昨年5月から、ソフトバンクが新卒採用のエントリーシート評価にAIを活用し、成果を挙げているそうです。人事業界では「HR Tech」という言葉も広がり、人事業務のテクノロジー導入への関心がますます高まっています。ここではAIが採用にどう生かされているか、メリット・デメリットについて紹介します。

AIはどう活用されているか

最初の書類選考で

採用活動におけるAIは、今のところ応募時の書類選考で活用されるケースが目立っています。

ソフトバンクはIBMの「Watson(ワトソン)」というAIを採用しました。新卒の入社志望者が提出するエントリーシートの内容を、過去の採用データをもとにAIが評価して合否を振り分け、不合格と判断されたエントリーシートは、念のため人がチェックします。AIの導入で、年間680時間かかっていた作業時間は従来の4分の1に削減できる見込みがあるということです。

SNS情報や名刺データを活用したマッチング

新卒以外にも、SNS情報や名刺データを活用したマッチングが行われています。例えばAIヘッドハンティングサービス「scouty(スカウティ)」は、SNSやブログなど、インターネット上にある転職候補者のデータを集め、企業の過去の成約データを活用し、適合する人材を見つけます。

また、クラウド名刺管理サービスの「Sansan(サンサン)」は、登録された膨大な名刺の情報をAIが分析。ユーザーに合った求人情報を紹介しています。

AI活用の背景

このようにAIが採用に活用される背景には、人手不足と採用プロセスの多様化があります。ITの進化で応募が容易になったために応募者の数が増えたこと、あるいはダイバーシティの観点からも、企業は広範囲から人を探す必要が出てきました。しかし、採用業務に対応する人手は足りないため、作業工程を機械化すれば効率化を図ることができます。また、入社後に「こんなはずではなかった」と離職する若手社員が増えていることから、事前に情報を精査して、採用のミスマッチを防ぐという狙いもあります。

面接にもAIが登場

面接でのAI活用も増加しています。この場合も、学習機能を使用して優秀な社員のデータを読み込ませ、それに近い人を採用するという仕組みです。

タレントアンドアセスメント社が開発したAIを活用した採用面接サービス「SHaiN(シャイン)」では、AIが投げかける質問に対する応募者の答えを、過去のデータに基づき会社の企業文化や業務に適しているかを精査します。面接は、サービスを搭載したスマートフォンや人型ロボット「Pepper」などが行います。回答するときの言葉遣いや声の抑揚、表情や仕草も判断の基準となります。

ただし、最終的には人事担当者による採用面接を行って判断します。すべてをAIに頼るのではなく、多数の応募者を絞り込む過程で活用されています。

メリットとデメリット

ではAI導入のメリットとデメリットを考えてみましょう。

会社のメリット

会社側にとっては、主に以下のようなメリットが期待できるでしょう。

  • 採用プロセスが劇的に効率化する
  • 時間を気にせずじっくりと質問ができるため、より細かく分析できる
  • データ分析により、採用のミスマッチが減少する
  • 面接時間を有効活用できる

作業の効率化によるメリットは大きいでしょう。これまで膨大だった作業時間を大幅に短縮することで、人事担当者はほかのことに時間を使えます。また、データ分析によりお互いの情報を確認できたうえで採用のプロセスに進めるため、入社後に気付くミスマッチを防ぐことも期待できます。

応募者のメリット

応募者にとってはどうでしょうか? 機械で行う面接には違和感を覚える人が多いのではという声もありますが、意外にも以下のようなメリットを感じている人が多いようです。

  • 判断基準が統一されているため、公平な判断をしてもらえる
  • 面接結果の迅速化により、ストレスが軽減される
  • 好きな場所・タイミングで受験できるので、就職活動を効率よく進められる

人間による判断の場合、単純な人為ミスや主観による偏り、順番などの運に左右されることもあるでしょう。機械による統一された判断によって、公平さが高まるといえます。面接も、スマートフォンやタブレットなどを利用して好きな時間や場所で受けられるため効率が上がります。つまり、より多くの会社を受験できることになるのです。

デメリット

もちろん、デメリットも指摘されています。以下のようなリスクが考えられます。

  • 間違ったデータで判断してしまう可能性がある
  • 新しい発想を持つ人をはじく可能性がある
  • 受験する側が面接に違和感を覚える

現状では、過去のデータを蓄積して判断するという方法を取っているため、AIに学習させたデータ自体に間違いがあると、公正な採用活動ができなくなります。また、過去の延長線上の人材が評価されるため、新しい発想を持つ人をはじく恐れもあります。学習させる際のデータの精査については、今後の課題でしょう。

また受験する側にとっては、機械と面接することに違和感を覚える場合もあります。実際の面接と違い、面接官の表情が見えない、反応がないため、話を広げにくいといった声も上がっています。

採用活動のAI導入は効率化をはじめとして、そのメリットは多いものと言えます。現状では課題も多いものの、これからますます広がっていくことが予測されます。今後、企業が他社との差別化を図るには、いかに自社にとって優秀な人材をAIに学習させて採用に結び付けていくかがカギとなりそうです。

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ワークハピネス
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