新卒社員が退職してしまうのはなぜ?理由を理解し効果的な対策を

厚生労働省の調査によると、新入社員が3年以内に退職してしまう割合は3割という結果が出ています。せっかく入社したのに数年で辞めてしまう理由はどこにあるのでしょうか。この記事では、新卒社員の退職理由に関する統計調査を見ていくとともに、新卒社員の早期退職を防ぐために気をつけたい点を説明します。

3年以内で退職する大卒新入社員は3割

厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況(平成 26 年3月卒業者の状況)」(PDF)によれば、2014年に大学を卒業して企業に入社した新卒社員のなかで、3年以内に退職してしまう割合は32.2%にも上ります。

早期退職割合は約30年大きく変化せず

しかし、2014年のみ特に割合が高いということではありません。同調査に1987年から2014年までの新規学卒就職者の3年以内の離職率の推移があります。一番低い値で1992年の23.7%、一番高い値で2004年の36.6%と変化はあるものの、主に20%台後半~30%台前半で推移していることがわかります。特に1995年以降は、2009年を除いてずっと30%を上回っています。

早期退職の多い業界とは?

同調査では、産業別の新卒社員の離職率も算出しています。上位3つは宿泊業、飲食サービス業(50.2%)、生活関連サービス業・娯楽業(46.3%)、教育・学習支援業(45.4%)で、その後に続く小売業、医療・福祉、不動産業・物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業などは平均より高い割合が出ています。

主な退職理由とは

大学卒新入社員が早期退職する理由については、厚生労働省が発表した「平成25年若年者雇用実態調査の概況」(PDF)の「初めて勤務した会社をやめた主な理由」によると、以下のようなものが上位に挙げられています。

労働時間・休日日数などの条件がよくない

「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が 22.2%とトップに挙がっています。希望していた労働時間や休暇日数と異なっていた、または実際に入ってみると自分が考えていたものと条件が違ったなど、理由はさまざまでしょう。新入社員にとっては、入社前にどのような働き方をするのか、また週や月、年単位での仕事のサイクルを把握することが難しいものです。入社前に勤務条件をはっきりと共有しておく必要があります。

人間関係がよくない

次に、「人間関係がよくなかった」が 19.6%で2位となっています。人間関係と一口にいっても、同僚との関係、上司との関係、取引先や人によってケースは異なります。社内でのコミュニケーション不足が、人間関係不良を起こしている場合もあります。

仕事内容が自分に合わない

続いて、「仕事が自分に合わない」は 18.8%で3位でした。志望して入った企業でも、実際に業務に携わってみたら、自分の希望していた仕事内容でなかったり、得意ではない分野であったりしたことが判明したというケースもあるでしょう。

給与がよくない

さらに、「賃金の条件がよくなかった」は 18.0%で3位と僅差でした。基本的に、新入社員は入社前に賃金条件を提示されているはずですが、この理由が上位に上がってくるということは、提示していた条件と実際の支給が異なっていた、または労働時間や内容に対して見合わない賃金を支給されていたなどが考えられるでしょう。

ノルマや責任が重すぎた

また、「ノルマや責任が重すぎた」という理由を挙げている人が11.1%います。まだ業務を覚えている最中であったり、育成過程であったりする若手社員に不相応なノルマや責任を持たせることは、離職につながる可能性が高いといえます。

新卒社員の退職を防ぐためには?

上記の調査結果を踏まえながら、新卒社員の退職を防ぐために、以下のことに気をつけましょう。

条件のミスマッチを防ぐ

基本的に、新卒社員が退職してしまう主な理由は、仕事条件や内容における本人の希望と実情のミスマッチにあるようです。採用活動の時点で、応募者としっかり条件を共有し、後から「話が違った」となる事態を防ぐことが大切です。また、もちろん提示した条件と実際の条件が異なっていてはいけません。例外措置がある場合はそれも伝えておきましょう。

業務内容のミスマッチを防ぐには、採用活動で個人の特性を慎重に見極めるのはもちろんですが、応募者が仕事の内容をしっかりとイメージできるように、あらかじめ具体的に仕事内容を知らせるようにします。企業の求める人材像や、仕事への取り組み方なども明確にしておきましょう。

同期社員の絆を深める

同期社員がお互いを理解し合い、困ったときは助け合える環境を構築することも重要です。また、管理職の目線では見えてこない問題や課題も、若手社員の間ではよく理解している場合もあります。同期社員同士で問題を共有し、解決の糸口を探る機会を設けることも、協調性を育てコミュニケーションを活性化させることにつながるでしょう。

上司の育成意識とコミュニケーション能力を向上させる

上司との関係は、若手社員にとって大きな影響を及ぼします。上司が部下のマネジメントや育成をできているか、コミュニケーションを取れているかを定期的に確認することをおすすめします。上司自身や部下との面談で意見を聞くのに加え、360度評価を用いて、上司が部下や同僚とどんな関係を築いているのか見るのも有効です。上司の行動や意識に課題があることがわかった場合、管理職研修やワークショップなどを実施して改善を図りましょう。

モチベーション、メンタルヘルスのケアを行う

精神的なサポートも企業の重要な役割のひとつです。業務や人間関係について悩みがあっても、新入社員にとっては外に伝えづらいものです。知らず知らずのうちにストレスやプレッシャーがかかり過ぎ、モチベーションが下がってしまったり、精神に不調をきたしてしまったりする可能性があります。個人面談や意識調査を定期的に実施したり、カウンセラーやキャリアコンサルタントに相談する機会を提供したり、必要であればモチベーションアップのための研修を行ったりしましょう。また長過ぎる労働時間や休日出勤など、社員が健康を崩しかねない労働環境になっていないかにも目を配ってください。

新入社員の早期退職は、企業と社員間のミスマッチや、条件、仕事内容の共有ができていないことが主な理由として挙げられます。企業側は採用活動の時点で、こうしたミスマッチが起きないよう前述の対策を講じましょう。そのうえで、社員入社後は社員間のコミュニケーションや上司のマネジメントだけでなく、新入社員への精神面のケアをするなどして、課題や問題を探り改善に向けて取り組んでいくことが大切です。

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ワークハピネス
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